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 ハインツ・バトラー監督の、20世紀最大の写真家アンリ・カルティエ=ブレッソンのドキュメンタリー映画。
 帰るのが遅くなるからどうしようかと思ったけど、観てよかった。観なかったら、次はいつこの機会が来るのか分からない。こういうとき、私は運がいいなと思う。この映画を観て、私が描く絵の方向性を、目指したい方向を、思い出せた。
 
 いつでも目標を見据えて絵を描いているわけではない、むしろ、その意識は他の絵を描いている人と比べて弱いと思う。だから影響されることが多くて、ふらふらしている。でも意識が弱いというだけで、目指す方向はちゃんとある。
 私は写真のような絵を描きたいと思っている。作り込まれた構図でも、美しい装飾でもなく。

 この映画は音楽もすごく良かった。前半で流れた曲が、ボーン・ウィリアムスの曲のようで、音楽を聴くためだけでも観てもいいと思った。映画の八割は音楽でできていると聞いたけれど、八割はちょっと多いかもしれないけれど、実感できた気がする。

 目標が高すぎる気もする。構図も、装飾も、その他すべてのものが、写真には含まれている。だからある意味、それを描きたいと思っていることにもなる。いかに欲を表に出さずに、さりげなく、見せたいものを見せるか。出来るだろうか。
また観よう。
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